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DARK SHADOWS(ダーク・シャドウ)

 「アリス・イン・ワンダーランド」は、ちょっとよかったけど、どうしても「スウィーニー・トッド」のドギツいシーンが焼きついて離れなくて、ちょっと映画館に行くには覚悟が必要(?)だった本作品。

いやー、マニアックな意味で楽しめた。
と言うのは、映画館にいた人の(とくに日本人は)100人にひとりも理解できなかっただろう、
伝説のロック・アーティスト「アリス・クーパー」の出演シーンだ。
アリス・クーパーは、いわゆるヴィジュアル系ロックの大御所みたいな人で、マリリン・マンソンがそのスタイルを受け継いでいる(まあ、マネしている)とも言える。
化粧してロックしてる人がほとんどいないときに、それをやってた先駆者でもあるのだ。男なのに「Alice」と言う名前でね。
自分自身、ES335の前に使っていたギターが、ギブソンSGという型なのだが、それはアリスのアルバム「Love it to Death」の裏ジャケに影響されて購入したものなのだ。
…とこんなことを熱弁しても、今や誰もピンと来ないだろうが、たぶん監督のティム・バートンも、これが万人に理解されると思ってやってはないだろう。
商売としてのエンタテインメントに、自分の個人的な趣味を入れても許されるって、羨ましいな、と思った。
それはそれとして、スウィニー・トッドで懲りちゃった人でも安心して映画館に足を運んでほしい、なかなかの作品だ。
家庭のテレビじゃ、海の波の迫力とか、ここまで出ないし、ロードショウで観るといいよ。

アリス・イン・ワンダーランド

テレビで、3Dが映画界を活気づかせている、という報道を見た。
3D上映だと、観客動員がまるで違うそうだ。

でも、この映画、メガネかけないで肉眼で観たかった気もする。

その昔、わが家に「カラーテレビ」なるものが初めて来たころ、
テレビで名画「シェーン」を見たとき、
まだまだ放送システムも受像機も発展途上期だったせいもあって、
人間の肌の色は不自然に赤かったし、画面も乱れていて
作品自体に「色」がついていることがかえって邪魔に感じた。

今回も作品が「3D」であることがちょっと邪魔に感じたなぁ。

同じティム・バートンの「スウィーニー・トッド」を映画館に観に行ったとき、
いくら何でもこれはドギツ過ぎる、少なくともデート向きじゃない、
と感じたが、今作はディズニー映画ということもあって
彼の「毒」は、ほどよい量まで軽減されている。
キャラクターも可愛く、発想もクリエイティブで、
「チャーリーとチョコレート工場」のような、
誰を一緒に連れていっても
相手にも一定の満足を与えてくれるような仕上がりになっている。

ただ、総力を結集して3D向けにつくった「アバター」に比べると
3D効果は「流行ってるから一応3Dになってます」的な感じだ。
であれば、この豪華絢爛な映像美は平面の上で
表現したほうがかえって美しく見やすかったのではないか。

黒澤明の「椿三十郎」で、赤い椿と白い椿のどちらが
水に流れてくるかで、攻めるか待つかを判断するサインに使う場面がある。
実はモノクロ映画だったので、赤でなく黒い椿を撮影したそうだ。
そのほうが「赤く」見えるからね。

同じように平面上であっても、立体感や奥行き感を表現できるようなさまざまな
カメラワークやライティング、CGなどの手法が蓄積されてきた。

3Dがビジネスになるからと言って、3Dで仕上げるのが義務みたいになっちゃって
中途半端なものばかり出すんでなく、せっかく新しい技術なんだからうまく生かして
これぞ3Dならでは、っていうものを出してほしいな。


アバター : 映画館に足を運んで3Dで観よう!

さて、大ヒット中のアバター。
公開から1ヶ月経ったにもかかわらず映画館は超満員。
いやぁ、なかなかよかった。

実は、この映画、予告編を劇場で観たときは、全く観に行く気がしなかった。

日本では「アバター」と言えば、携帯サイト上で着せ替えをしたりする、やたら目がキラキラしているネット上の自分の分身みたいなものじゃない?
この作品の予告編の最後に「アバター」というタイトルが出た瞬間、それを連想してクスっと笑ってしまった。そして、この映画は3D映像のお遊び満載だけど、たいして中身のない、人生にあまり痕跡を残さない作品なんだろう、と言う先入観を持ってしまっていた。

ところがところが、公開して日が経つごとに、まわりの人たちの口から、よい評判ばかりが聞こえ始めたではないか。

で、やっぱり観に行こうかな、と足を運んだのだ。

■アバターは、3Dで観るべき?2DでもOK?
2Dでは観る価値ないかと言うと、そんなことはない。
映像のスゴさだけでなく、中身がちゃんとある映画だからね。
でもどうせ観るなら断然3D!
それもできるだけ大きな劇場でね。

六本木ヒルズのヴァージンシネマでは、全3スクリーンでやっていたが、いちばん大きな部屋を選んで正解だった。
ただ、あんまり前の席、それも左側の前方はおすすめしないです。
右側にも字幕が出るのだけど、左側に座っちゃうととても見づらいので。

できるだけよい席を予約をしたほうがいいでしょう。

あと、3D観るなら、首都圏では川崎にある「IMAX」がいいらしいです。


■映画館で観るべき?DVD出たらレンタルで十分?
でっかいハイビジョンテレビとブルーレイディスク再生装置がリビングにドーン!と言う人でない限り、これは映画館で観たほうが断然よい!

家庭の映像設備がどんどんデカく高精細になり、反面、ただ観るだけでいいならYouTubeで十分じゃん、という時代のなかで、それでも劇場に足を運んでまで観る映画とは何か、というひとつの答えじゃないかな。
でっかくして観ないと、もったいない映像。

■映像じゃなくて、ストーリーの中身はどうなの?
1993年に大きな期待を持って公開された「ジュラシック・パーク」は確かに恐竜はリアルだけど、終わったあと何も心に残らないような、名画と呼ぶには物足りないものだったが、この「アバター」は、しっかりとした手応えがある。

マイケルジャクソンが「HEAL THE WORLD」で世界に送りたかったような、今、地球上の人類に何が必要なのかを、世界中の人にアピールするメッセージ。

自分たちとは違う価値観の人々や文化があることを認めず、自分たちの金儲けだけを第一に考えるエゴ丸出しのオバマ以前のアメリカ文化の邪悪な側面に明確にNOを突きつけているのが、ある意味、新しい。

ただ、侵略に対しては弱者側も武力で対抗しなくちゃいけない、ってのは「七人の侍」の昔から何も変わってないね。

…とは言え、とても満足度の高い映画なので、ぜひロードショー中に劇場に足を運んでみて!
 


Dr.パルナサスの鏡 原題:The Imaginarium of Doctor Parnassus

あなたは、愛や自己犠牲を選ぶのか?
欲望や自己の利益の追求を選ぶのか?

さっき観てきた!
今まさに「アバター」の大ヒット中だけど、
あとから公開された「パルナサス」のほうを先に観にいったのだ。

さすがテリーギリアム、ぶっとびました。おすすめです。

彼の監督作品は、未来世紀ブラジル、バロン、12モンキーズ、など、過去に大きな衝撃を与えたものがたくさんなので、かなり期待していたが、それを裏切らなかった。

何しろクリエイティブ。
意表をつくアイデアの玉手箱だ。
エンディングのセンスもすばらしい。
ファンタジックな映画だけどちゃんと「毒」を持っているのがイイ。

ハリー・ポッターやファイナル・ファンタジーのように映像の精細度や奥行きを限界まで突き詰めていくのもよいけれど、それはあくまでHow=観た感じをどう美しく撮るか、ということ。

このテリー・ギリアム作品は、What=画面のなかで何がおこっているか、という最初の発想の段階で、もうすでに一般人の常識で考えうる範囲を超えている。


芥川龍之介の「蜘蛛の糸」を読んでから観にいくといいかもね。


Dr.パルナサスの鏡 公式サイト


ロスト・イン・トランスレーション

評価:
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巨匠フランシス・コッポラの名作「ゴッドファーザー」のパート3に何げに出演している彼の娘、ソフィア・コッポラの監督作品で
日本が舞台になっているもの。

黒澤明は世界の名だたる映画監督に尊敬され、クロサワ映画を参考にしたとされる海外映画も数あるなか、日本を描いた海外映画、日本人役が出演している映画は、日本人から見るとなんでそうなのよ、と思わず苦笑してしまう中途半端で勘違いな設定や、役者がちゃんとした日本語を喋っていないケースに数多く出くわす。

■ブリジット・バルドー主演「この神聖なお転婆娘」
…日本人と言えば、カメラ、眼鏡、お辞儀、そして柔道。
笑えます。が、ちょっと悲しくなります。
■リュック・ベッソン監督の名作「グラン・ブルー」
…研ぎ澄まされたような美しい映画のなかで、とつぜん始まる
息抜きお笑いタイムのようなシーンで出てくる日本人ダイバーたち。
リュック・ベッソンは好きだけど、日本人がナメられてる感は否めないなぁ。
■連続ドラマ「HEROES」
…「ヤッター!」という台詞が有名な作品。
しかし、同僚役や父親役のたどたどしい日本語はナゼ?
そして日本の一杯飲み屋街のセットが文化祭のお芝居みたいに安っぽい。
わかっててやってるのか、わかってないのか?
まあ、いい作品なんで許すけどw

などなど。

これまでは日本を真っ当にとらえてくれていて、なおかつ作品としてもすばらしいのは「ブラックレイン」くらいのものだった。

どっちにしても、アメリカを中心とした英語圏の人たちが主たるオーディエンスなので、これが日本人の目線でどう見えるのか、ってのは重要度は低いんだろうね。

しかしながら、このソフィア・コッポラの作品は、興味本位に日本を素材として扱っているのではなく、日本を丁寧にリスペクトしながら、日本という未知の場に放り出された外国人の孤独感がかなり繊細に、リアルに描かれているのが好感が持てる。

巨匠の娘だからと言って物怖じすることなく、女性ならではの目線で、独自の世界観をつくっているのがイイね。


ひなぎく

評価:
パヴェル・ユラーチェク,エステル・クルンバホヴァー,ヤロスラフ・クチェラ
ダゲレオ出版
¥ 6,690
(2000-06-24)

1990年代前半に日本で初公開したときに吉祥寺バウスシアターで観て感激し、映画館を出たときに、これが1966年の作品であることを知って驚愕した。

そのころ、たしか「流行通信」という雑誌の片隅に出ていたチェコのプラハという見知らぬ街になんとなく憧れていたが、この女性監督ヴェラ・ヒティロヴァによる映画に出逢ったことで、本当にプラハを訪れる決意をするきっかけになった。

チェコスロヴァキア時代に当局の弾圧で20年以上もお蔵入りになっていたのであるが、60年代に造られたとは思えないほど斬新で、自由で、オシャレで、かわいくて、実は深い作品。

背後に隠されたメッセージが、かすかに伝わってくるような映画なので、感覚だけで作品を受け入れることができちゃうかたにおすすめ。


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